「過去にあった出来事への対処」の話
みやび「昔は「怒りを感じたらいけない」って思ってたんだけど、そのフィルターはだいぶ外れてきたんだよね」
そら「いい傾向だね」
みやび「それで、ちょっと聞きたいんだけど、怒りの感情を堪能すると、過去にあった出来事とかを思い出して、また「うぅっ」てなるんだよね」
そら「ん?どういうこと?」
みやび「怒りの感情を感じようとすると、過去の出来事を思い出して、『そういえば、あんなことがあったなぁ・・・』って、それで、その時にできなかったことや、言えなかったことを、シミュレーションして、一瞬、スッキリするんだけど、その後で『はっ。何やってんだ、私!?』ってなるの」
そら「・・・うん。なんとなく言ってることわかった」
みやび「わかってくれた?(笑)」
そら「わかったけど、それって無駄にエネルギー使ってるよね」
みやび「・・・やっぱり、そうなの?」
そら「うん。まず、みやちゃんの中で何が起きてるのかを話すけど」
みやび「うん」
そら「怒りの感情を感じる時に、過去にあった出来事を思い出すって言ったでしょ」
みやび「うん、言った」
そら「それって、怒りの感情に反応した過去の出来事が掘り起こされてるんだよね」
みやび「そうなの?」
そら「うん、そう。怒りの感情が引き金になって、過去に同じような感情を感じた出来事が引き出されちゃってるの。それって、過去に感情をきちんと処理しきれなかったから、もいっかい出てきちゃってるんだよね」
みやび「う~ん・・・」
そら「例えばね。怒りの感情の火をつけるエサがあるとするでしょ。エサは燃料だから、燃やし尽くしてしまえば、無くなるわけ。この、エサ=燃料を燃やし尽くした状態が『感情を処理した』っていう状態ね」
みやび「うん」
そら「で、みやちゃんの例でいくと、目の前に現れたエサを燃やしていたら、過去のエサが出てきちゃったってことだよね。これって、過去のエサをきちんと処理してなかったから、「ほら、ここにもエサがあるんだよっ」って、エゴが見せてきたってことなの」
みやび「またエゴ・・・?」
そら「そう。で、みやちゃんは、まんまと過去のエサにも火をちゃったってわけ」
みやび「あぁぁっ、もうっ・・・!またやられてる・・・」
そら「やられちゃいましたねぇ」
みやび「でも、感情は堪能していいんでしょ?」
そら「うん、いいよ。だたし・・・」
みやび「ただし・・・?」
そら「怒りの感情っていうのは、怒りを感じてから約90秒で治まるはずなんだよね。なぜなら、怒りを誘発する脳内物質は、90秒しか保てないから」
みやび「じゃあ、それ以上の時間、怒りの感情を感じてるってことは・・・」
そら「過去のエサを持ち出して、怒りの炎をブスブス燃やしてるってこと」
みやび「えぇっ・・・」
そら「でね、過去のことを思い出すときに困ることが一つあるの」
みやび「困ること?」
そら「うん。過去のことを思い出すときって、割と、細かいニュアンスまで思い出してない?あの時、あんな風に言われたな、とか。その時、あの人、ああいう顔してたな、とか」
みやび「思い出してるかも・・・?」
そら「それね。細かく思い出せば思い出すほど、無意識に深く刻み込んでるんだよね。だから、細かく思い出せば出すほど、その出来事を『特別なエサ』としてエゴが認識してしまう」
みやび「そういうことか・・・」
そら「目の前で起きてることは全て『マボロシ』なんだけど、過去の出来事を思い出して、もう一度怒るってことは、『マボロシを現実にする』ことなんだよね。だから、感情を感じる時は、今、起きたことだけに集中した方が良くて、過去のことは、それはそれで終わりにした方が賢明だよね」
みやび「何度も思い出し怒りしてた・・・」
そら「だね(笑)だから、エネルギー不足になっちゃうんだと思うよん」